畑村洋太郎/「失敗学」事件簿

JR脱線事故、銀行システムのトラブル、雪印の偽装事件などを著者が再分析し、どこを見るべきか、次に同じことが起きないためにはなにを変えていくべきなのかを分析する。
面白かったのは「失敗のメカニズム」という章で、「失敗情報は隠れたがる」ため、失敗情報の提供者を責めることなく情報を集めることが必要だろうと説いている部分である。会社の組織構造からして悪い情報は上に伝わりにくいというのはその通りで、では会社という階層構造の中でどのようにすれば風通しのよい組織が実現できるのか、考えさせられた。