Shirley Jackson "The Lottery"/小川一水「老ヴォールの惑星」

The Lottery: And Other Stories (FSG Classics)
どちらも人から借りた本。
"The Lottery"のシャーリー・ジャクソンはサキやダールのようないわゆる「奇妙な味」の作家なのだろうか。後味はさわやかとは言い難く、淡々とした日常に潜む悪意がひしひしと感じられる物語が多い。現代の人ではないようですが何冊か読んでみたい。
小川一水は「このSF〜」に出ていたそうで薦めてもらった。日本のSF?ショートショートを除くと神林長平くらいしか読んだことがないし、いかにもジャンル小説なんじゃないの、と思って読み始めたが、正統派でぐぐっと読んでしまった。短編向きな印象で、サイドストーリーの奥行きなどは長編だとどうかな?と思わせるところもあったが、「ギャルナフカの迷宮」「漂った男」は人間の本質についての作者の洞察がうかがえるようで興味深かった。